当院で扱った症例と治療効果
以下の①、②の病名はすべて西洋医学の病名で、これらの治療は命名者側の西洋医学の医師が行うべきものです。当院は、あくまでも東洋医学の治療院であり、東洋医学的診断による全身治療が目標です。肩こり・腰痛・膝痛等の鎮痛に特化した治療でもありません。以下の鍼灸マッサ-ジ治療の適応症例も、経絡治療により高められた自己回復力による結果だといえます。しかし、どのような効果があるのかは、西洋医学の病名で示した方が理解しやすいと考え列記したまでで、①、②の区別も厳密な基準があるわけではありません。また、経絡治療の全身治療は、これまでに当院で扱う機会のなかった多くの症状にも治療効果が期待できるものです。
①完治したケ-スのある病名と症状
腎盂ガン(消失)・腱鞘炎・寝違え・逆子・肩関節周囲炎(五十肩)・急性腰痛・坐骨神経痛・膝痛・肘痛・しゃっくり・いぼ・めまい・突発性難聴・子宮内膜症・モ-トン病・夜尿症・冷え症・しもやけ・円形脱毛症・原因不明の眼の充血・不定愁訴等
②完治には至らなくても、症状の改善が期待できる主な病名と症状。または、症状の再現はあるが、治療後の効果が一定期間持続することが確認できた病名と症状。
肩こり・PTSD(心的外傷後ストレス障害)・パニック障害・うつ病・前立腺肥大・前立腺ガン・統合失調症・脳卒中後遺障害・たこ・尋常性紅斑・アトピ-性皮膚炎・関節リウマチ・メニエル病・耳鳴り・むずむず病・加齢性難聴・歯痛・頭痛・便秘・痔・脊椎分離すべり症、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア等による腰痛・バネ指・顔面神経痛・三叉神経痛・肋間神経痛・生理痛・外傷修復後の違和感・眼性疲労・ドライマウス・食欲不振・味覚、嗅覚障害等
当院での治療症例
東洋医学と西洋医学の対比がしやすい治療例をいくつかご紹介します。鍼灸治療への理解が深まるとうれしいです(@^^)/~~~
【症例1】
80歳代女性。腰がだるい、口が渇き(ドライマウス)、唾が出ず、食欲がない。体重減少。
《予想される西洋医学の治療》
西洋医学の病名は何になるのかわかりませんが、 「ドライマウス」の症状で病院に行くと、医師はその症状の原因をつきとめ、病名が決まり、糖尿病、甲状腺亢進症、自己免疫疾患等の治療が開始されるのでしょう。しかし、原因となる疾患が見つからなければ、治療は困難です。「加齢によるものだから、水分をしっかりとり、食べ物をよくかんで唾液分泌を促して下さい」という生活指導で終わることも多いようです。
《当院での東洋医学治療》
東洋医学では患者さんにあらわれている様々の症状や脈状等から証を決めて治療します。この方の証は「腎虚陰虚熱証」だと判断。まず、手足のツボに鍼をし不足するエネルギ-を補いました(鍼は浅く、痛みは全くなし) 。さらに、頭鍼法による鍼治療を追加。途中から、「唾が出てきました。こんなのは久しぶりです」と顔色もよくなる。その後、体重も増え、食欲も出て来たそうです。
【症例2】
60歳代女性。上顎の歯肉が痛くて入れ歯がはめられず、困っている。
《西洋医学の治療》
医師からは、口内炎治療薬の軟膏ケナログが処方されていますが、塗っても治らないと悲嘆の表情。
《当院での東洋医学治療》
患者さまの痛む場所を教えてもらい、大腸経という経絡の熱症状(炎症)と判断。前腕(肘より先)大腸経の触診で反応のある手三里というツボに接触鍼(鍼を皮膚にあてるだけ)。熱症状をとる施術。数分後に痛みが消失。その後も入れ歯ができるようになり喜んでおられます。もちろん入れ歯の不具合は歯科医院でないと治りませんがね(-_-メ)
この方は肝虚証で治療しているのですが、肝虚の方は「怒りっぽい、イライラする等の情緒不安定症状等」の症状が出やすいのですが、これは、「気のせい」「性格」の問題ではありません。その人の体内で異変が起こっているケースが多く、西洋医学で病気の範疇に入らなくても、「怒り」は五行学説の「木」の性質を持つ「肝」と深い関係があり、「肝気鬱結」⇒「気鬱化火」⇒「肝火上炎」と進行します。やがて、「木克土」という関係から脾胃(≓胃腸)の働きまで損傷されます。この方には、便秘の治療も行っています。
【症例3】
40歳代男性。急性腰痛症(ぎっくり腰)。なんとか歩行はできるが、パンツの着脱も容易でなく、自分で靴下がはけない状態で来院。
《患者さまから聞いた整形外科での治療》
画像診断の結果で異常がなければ、湿布を処方し、安静を指導。痛みが強い場合はブロック注射。でも、なかなか痛みがとれない。こんな感じが多いようです。
《当院での東洋医学治療》
初診では、とりあえず、来院時10の痛みを6~7分とることを目標にしています。①ツボを使った治療②筋腱反射を使った局所治療③頭鍼法による治療を用います。今回のケ-スでは、7~8分程度の痛みを除去。治療直後よりパンツも靴下も容易にはけるようになり、感動して帰宅。
2診目で東洋医学的診断を行い、肝虚熱証の治療を開始。ほぼ痛みはなくなる。
3診目で、肝虚熱証の治療に加え、深部の違和感の残る様子を聞き、ツボと経絡を用いた鍼灸治療を行い寛解。