英国マンチェスター大学医学部卒のDaniel Keownという救急診療専門の外科医が出版した「The Spark in the machine/2014(原著)及び「閃く(ひらめく)経絡」(翻訳)/2018/建部訳/府立医大)」によって経絡の存在が立証されました。
「閃く経絡」を読んで 連載その1
話題作「閃く経絡」は、「すべては細胞から始まった。卵と精子の結合。陰(Yin)に陽(Yang)が入り込む。・・・」から書き始められています。その後受精卵の発生は、30数億年の進化の道筋を辿りながら、母体内で成長します。ヒトの身体は、どんな臓器・筋肉・身体部位をとっても、各部位はファッシア(fascia)という筋膜で真空包装されて体内に収められています。だから、手術の際にも胃・心臓という具合に真空パックごとの医療処置が可能なのです。へたくそなイラストを描いてみました。あなたの心眼で見て下さい(^_-)-☆
ファッシアという膜は、骨や血液と同じ結合組織の一種で、コラ-ゲンを豊富に含んでいます。ファッシアは、水・空気・血液・膿・電気等を通さないので、ほとんどのもがファッシアの表面をすべって移動します。従って、個々の臓器をラッピングした真空パック同士の空間(細胞間基質)が物質移動の通路となるわけです。この通路こそが、東洋医学でいう肺経・大腸経等の「経絡(経脈)」なのです。外科医ならではの新発見!!空間だから、解剖してもみつからない訳ですよね。(^。^)y-.。o○次回に続く。
「閃く経絡」を読んで 連載その2
中医学のバイブルである古医書には、人の体内には五臓六腑があると記載されている。そして、五臓(肝・心・脾・肺・腎)に加えて「心包(しんぽう)」、六腑の中には胆・小腸・胃・大腸・膀胱に加え「三焦(さんしょう)」という臓腑の存在が記されている。鍼灸師はその存在を肯定し、それらの経絡上のツボを臨床に用いている。しかし、解剖学によってその存在を確認することはできず、古医書の信ぴょう性が疑問視されている。
ところが、「閃く経絡」の著者であり外科医でもあるダニエル・キ-オンは、古医書記載の「心包」は心臓を包むファッシアであり、「三焦」は以下の①~③のコンパ-トメントの空間をさし示していると読み解いたのだ。読み解いた著者にも感服するが、三千年も前にそのことに気付いた中医学も偉大である。
3つのコンパ-トメントを示す図が、近代医学と中医学でとてもよく似ていることにも驚かされる。
すなわち、臓器に限らず、筋肉までもがファッシアに包まれ、身体中に独自のエリア(コンパートメント)を作っており、体幹部では、上から順に①胸膜心囊膜腔②腹膜腔③後腹膜腔のコンパートメントに区画される。それが、古医書の①上焦(じょうしょう)②中焦(ちゅうしょう)③下焦(げしょう)に対応するとは、またまたびっくり(^。^)y-.。o○次回に続く
「閃く経絡」を読んで 連載その3
臓器を包み、体内を区画するファッシア(筋膜)の主成分はコラ-ゲンである。コラーゲンには圧電性という特性があり、変形するときにわずかな電流を発生させる。ピエゾ(圧)電気と呼ばれるもので、ライターやガスコンロの火花と同様のものである。しかも、コラ-ゲンは身体のタンパク質の1/3を占めており、我々の身体のありとあらゆる部分が動くたびに、いつも小さな電流が生じている。またコラーゲンは、生じた電気を伝導させる特性も持っている。だから、私たちの生命は電気で動いている。
そのバイオエネルギーこそが、中医学が「氣(気)」としてとらえているものではないか?外科医ダニエル・キーオンはいう。「科学は、氣という概念はあいまいで見えない力だという理由で避けるのに、電気というあいまいで見えない力なら喜んで信じている」「ハードディスクを交換するコンピューター技術者が、見えない電気が回路を走っているという考え方を馬鹿げていると笑うようなものだ」と。続けて著者は、冒頭に出て来たピエゾ効果による骨折治療、鍼灸治療による脳卒中患者のバイオフォトン(生物の発する近紫外線)のバランス補正等々や日常的な生体反応を例示し、「氣」の存在を明らかにしている(専門的になり過ぎるので、詳細は略)。(^。^)y-.。o○次回に続く
私たち鍼灸師は、日常的な臨床で指先に「氣」を感じながら施術している。患者さんにも、刺鍼すると「サワサワ」する等「氣」の流れを体感している方がいる。きっとこれが、ファッシアを流れる電流なのだと思う。
「閃く経絡」を読んで 連載その4
連載その3.までを極めて簡潔にまとめると、細胞間・臓器間・ファッシア(筋膜)の間にある空間に経絡(経脈)が存在する。その空間を流れるのが「氣」すなわち電気(バイオエネルギー)だということです。
医師の間で最もよく語られる理論の一つが、鍼灸のエンドルフィン説です。これは、米国のニクソン大統領の中国への正式訪問の際、彼が鍼麻酔による心臓手術を見て仰天したことに端を発します。その後1970年代の西洋科学の研究によって、鍼刺激でエンドルフィン(コメント参照)という鎮痛物質が体内に放出されることがわかった。謎が解け、鍼灸が魔法ではないと皆に知らせることができたのです。
しかし、それ以降、鍼灸治療は「痛みを止めるための効果」しかないように思われ続けているのです。本当にそうなのでしょうか?(^。^)y-.。o○次回に続く
エンドルフィンという物質は、脳の視床下部というところから分泌される「脳内モルヒネ」で、脊髄後角に作用して、図中の神経細胞末端にあるμ(ミュー)受容体と結合し、神経伝達をブロックして痛みを和らげる働きをする
「閃く経絡」を読んで 連載その5
はり師の国家試験には13科目の東西医学専門科目が課されます。その中に、「鍼灸理論」という科目があり、鍼灸治療の生理学的治効について学ぶ箇所があります。前回ご紹介した痛みを止める効果は、下表の4番目の「鎮痛作用」とMemo欄の「ゲートコントロール学説」です。
下表は、私が国試受験で愛用し対策本の1ページですが、この表を見れば、鍼灸治療の効果が多岐にわたることがおわかり頂けるでしょう。しかし、表中の施術効果は国試受験時の暗記事項に過ぎず、開業しても鎮痛効果のみを追い求める鍼灸師も少なくありません。だから、患者さんも腰痛・膝痛など痛みのある人しか受療しなくなるのです。
しかし、表中の様々の効果は、鍼灸の臨床で日常的に体験できるもので、「閃く経絡」の中にも、外科医ダニエル・キーオンが、性器出血で救急部に運ばれてきた患者に、足三里と三陰交に鍼をして、4週間ぶりに出血を止めたケースなどが紹介されています。それは、著者が経絡や経穴(ツボ)の実在を証明することによって、鎮痛以外の治療効果までも明らかにしようとしている現れです。(^。^)y-.。o○次回に続く
「閃く経絡」を読んで 連載その6
2004年、ハーバード大学医学部のチャールズ・シャン医師が、鍼灸の効果だけではなくツボが何であるかについても説明した論文を発表した。
彼は「鍼灸の成長コントロール理論」と名付けたが、理論の初めは発生学に関するもので、一個の受精卵が赤ちゃんに成長するためには、想像を絶する膨大な組織化が必要だということであった。組織化に関する単純な数式がある。2人を組織するには、2人をつなぐ1本の線が必要だ。3人ならば1+2本、4人なら1+2+3本、5人なら1+2+3+4本。人の数が増えれば増えるほど、つなぐ線は人数の2乗に近づいていく。
増殖した細胞同士をつなぐ連絡線も同じ数だけ必要になる。人体を構成する細胞数は約60兆個といわれているが、1兆個の細胞でもつなぐ連絡線は1,000,000,000,000,000,000,000,000本(1杼(じょ))本必要です(桁数は、・・・億、兆、京、垓、杼、・・・の順)。システム理論では、連絡線と連絡線のつなぎ目となる結節点が重要な意味をもつ。フェイスブックに例えると、結節点は「友達」である人であり、身体中では、成長をコントロールする発生学的なポイント(形成中心)なのです。
そして、結節点となる細胞や組織間で、電気や物質により連絡を取り合っているのです。(^。^)y-.。o○次回に続く
「閃く経絡」を読んで 連載その7
もし細胞間の連絡がないノンシステムな状態なら、自らが何の細胞になるべきかもわからず、まるで癌組織のような細胞塊になってしまいます(コメント欄見て下さい)。また、情報の発信源となる形成中心があるということは、下図のように形成中心から各細胞に直接連絡されているということになります。ショウジョウバエを用いた研究で、形成中心からはモルフォゲン(成長因子)が分泌されていることがわり、この業績に対し、1995年ノーベル生理学・医学賞が授与されました(コメント欄に詳細)。
しかし、発生が進むと、組織や器官をつくるための多数の形成中心が現れるので、情報が錯綜し、細胞反応を説明する発生学だけでは説明がつかず、数学的モデルを使った理論へと移行しなければならない。
自然界のカオス(混ざり合って、複雑で、はっきりしない状態)に規則性があることを最初に発見したのは数学の天才ブノワ・マンデルブロだ。彼の方程式によると、非常に複雑な組織化は「単純なフィードバック機構によって起こる」という。この数学理論によって、鍼灸がどのように作用するか理解できるようになる。(^。^)y-.。o○次回に続く
スティアーネ・ニュスライン=フォルハルト(Christiane Nüsslein-Volhard、1942年10月20日 -
)は、マクデブルク出身のドイツの生物学者。胚の発生過程での遺伝子による制御を研究し、エドワード・ルイス、エリック・ヴィーシャウスとともに1995年度のノーベル生理学・医学賞を受賞した。
「閃く経絡」を読んで 連載その8
こりもせず、連載をお読み頂いているみなさん。ありがとうございます。ちょっと一休み。いささか疲れて来ましたよね。そして、何か怪しい宗教のような臭いを感じておられる方があるかもわかりません。でも大丈夫。これは科学のお話しなのです
科学的思考を絶賛する私たちは、自分の目で確かめ、手に取れるものだけを科学と考えがちですが、それが可能なものは宇宙の事象の1%(科学的データではありません)にも届かないのではないでしょうか。その99%の闇に乗じて新興宗教や科学的根拠のない社会思想、詐欺行為がはびこるのでしょう。
99%の宇宙が闇なのは、現在の科学技術が未熟なことに原因があったり、検証しなければならない情報が膨大過ぎて人間の手に負えなかったりするからです。痛み以外の鍼灸の治療効果は、その部類に入るものなのだと思います。それを、「気のせいだ」「プラセボ効果だ」として、思考を中断することこそ非科学的だと思います。
鍼灸の治療効果の作用機序のように膨大な情報の検証・解明が必要な時、数学は大きな手掛かりになります。宇宙の成り立ちにせまるアインシュタインの相対性理論だって数学そのものなのですから。(^。^)y-.。o○次回に続く
「閃く経絡」を読んで 連載その9
カオス理論の数学によれば、自然界のカオス(混ざり合って、複雑で、はっきりしない状態)は、出発点の小さな変化によってすべての部分が増幅され得ることを示している。完璧に条件がそろえば、日本のチョウの羽ばたきが、ハバナでハリケーンを引き起こすことができる。その理由は、このフィードバックシステムによるのだという。天才数学者マンデルブロは方程式をたて、小さな変化から無限に美しい形を生み出すことをみつけ、この形を「フラクタル(fractal)」(語源はfracturedバラバラ)と名付けた。そして、自然界の全ての物と同じく、人間もフラクタルだという結論に達する。
これと同じ原理が、身体の中に細い鍼を刺すことで治癒反応が生じる理由の根本にあるのだ。適切な場所での小さな変化が、巨大な出来事になることを可能にするので、鍼灸の技能は、正しい場所に正しい変化をもたらすことにあると著者は述べている。(^。^)y-.。o○次回に続く
数学の天才ブノワ・マンデルブロがつくった自然界のカオスの規則性をあらわす方程式です。
- 生年月日:1924年11月20日
- 出身地:ワルシャワ
- 死没:2010年10月14日 (85歳)
ブノワ・マンデルブロはフランスの数学者、経済学者。パシフィック・ノースウェスト国立研究所フェロー、IBM・トーマス・J・ワトソン研究所名誉フェロー、イェール大学名誉教授。フラクタルを導入したことで著名である
「閃く経絡」を読んで 連載その10
DNAもフラクタルであり、巨大な複雑性を作り出しているものの、組織化のシステムなしでは何も生じない。DNAには全ての情報が含まれているが、正しい場所、正しい時間に読み取られる必要がある。これを確実にするのがモルフォゲン(連載その7に出て来た成長因子)です。
生命って本当に驚異的だ!そして、鍼灸と科学が融合する場所がここにある。
①受胎から成熟まで身体の連絡を制御する「形成中心(その6・その7)」と「通路(その1のファッシアの間、つまり経絡)」が必要になる。
②DNAに書き込まれた複雑性を、単純なフラクタルとして組織化する背後にある力が必要になる。
この力こそが、鍼灸でいう氣なのです。(^。^)y-.。o○次回に続く
フラクタルとは、自己相似性があり、フラクタル構造を進むと、最終的に出発点と同じように見える場所に到達する。体内には、動脈、肺、脳、筋肉、腎臓などに多くのフラクタル構造がある。
「閃く経絡」を読んで 連載その11
著者はいう。「氣は知的な力、どこにあるべきなのか知っている知性である。それは、病気の正反対であり、癌と闘ってくれる。・・・」
驚くことに、発生学における組織化のシステムについて、「細胞間コミュニケーション」の代わりに「氣」という言葉を使うと、中医学のすべての教えとほぼ完璧にフィットする。
「氣=細胞間コミュニケーション」は、後退したり、反発したり、留まったり、弱くなったり、生まれつき弱かったりする。また、「氣」は各臓器で異なる形を持ち、病原性のある「氣」が外部から侵入することもある。そして、「氣」は最終的に「細胞や組織の間の空間=経絡」を廻るのだ。下図は肺経という経絡の順路を示すものです。(^。^)y-.。o○次回に続く
「閃く経絡」を読んで 連載その12
その6に出て来たシャン医師の「鍼灸の成長コントロール理論」に端を発し、「氣=細胞間コミュニケーション」によると考えられる以下の理論モデルが実在することが証明されている。すなわち、「①高度な電気的細胞間結合が、結節点の領域に実在すること②鍼灸刺激によって、身体での成長因子またはモルフォゲンが放出されること。」が証明されたのだ。
今後、鍼灸刺激が、モルフォゲンやモルフォスタットの量の調節を行っていることが示されれば、「鍼灸の成長コントロール理論」が完全に証明されたことになるのです。(^。^)y-.。o○次回に続く
☆モルフォゲン(morphogen:ギリシャ語の形の意で、morpho-「形」と-gen「創造」からなる)・・・特殊な胚細胞から他の細胞へ広がっていく強力な成長因子のこと。受精卵が卵割して生じた均質な細胞を特有の組織や臓器に分化させ、成熟したヒトの身体をつくる働きをしている物質。
☆モルフォスタット・・・成熟したヒトの身体を維持するために利用される新しい化学物質。
「閃く経絡」を読んで 連載その13
ツボ(経穴)とは何か?鍼灸師は誰しも、身体の表面に他よりもはるかに強い力を持つと考えられる特定の場所が存在することを知っている。身体の生理的変化を制御するには、メッセージ送受信システムが必要だ。そのコントロール・センターにあたるものがツボ=経穴(けいけつ)なのです。これらの場所のことは、最古の古医書「黄帝内経(こうていだいけい)に初めて詳述された。
鍼灸のツボは、形態学的に大きく変化する領域に存在し、この領域には発生学的な形成中心があるはずだ。なぜそこに鍼を刺すと変化が起きるのか?内部臓器にどのようにして伝達されるのか?等を考えるには、氣の物理学に目を移す必要がある。(^。^)y-.。o○次回に続く
鍼灸の古典はキリストの物語より少なくとも200年は古い。「黄帝内経(こうていだいけい)」は紀元前2世紀頃に編纂されたとされているが、その書物より千年程前に骨から作られた鍼灸の鍼があったことがわかっている。スイスの氷河の底から見つかったミイラ化したアイスマンの脚に奇妙な点状のタトゥーがあった。CTスキャンで調べると、腰に炎症のあとがあり、脚のタトゥーは腰の治療点だったと考えられている。鍼灸のツボ(経穴)の存在を示すものである。放射性炭素年代は紀元前3200年だった。
「閃く経絡」を読んで 連載その14
細胞が化学シグナルを介してお互いに導き合い、あらゆる臓器や器官を形成してきた。その形成はボスからの指令によるのではなく、進化の過程で誕生した多くの形成中心によって支配されている。さらに、鍼灸のツボが存在する身体のすべての場所が、この形成中心の場所と全く同じ場所であることがわかる。例えば、肘や手首の形成に重要な役割を果たす形成中心付近にも、鍼灸のツボたくさんある。しかも、中医学では、これらのツボが心臓や肺などの臓器に関連すると考えられている。身体はつながっている!のです。
西洋の医者は、このつながりを無視し、患者の複数の訴えは各々関係がないと主張する。「この主張は本当に馬鹿げている」と著者はいう。その1で学んだファッシア(筋膜)間の空間でつながっているのです。
つまり、鍼灸のツボは発生学的な形成中心であり、経絡はこれらを接続するファッシア面ということになるのです。それでは一体何が伝達されているのでしょうか。(^。^)y-.。o○次回に続く
「閃く経絡」を読んで 連載その15
鍼治療を受けている時、電気的な感覚を感じる患者がいる。痛みではなくて、うずくような、さわさわと何かが流れるような、電気が伝わる感覚が引き起こされる。特に手足の末端では強く感じます。研究によると、ツボは周囲の皮膚よりも、経絡は周囲の組織よりも電気伝導性に優れている。これらのことから、経絡もツボも、導電特性に優れたファッシア(筋膜)に存在することがわかる。
身体のコントロールには、モルフォゲンやホルモン以外の要因が存在する。それは、電場だと考えられる。受精を初め、細胞間結合はミリボルト単位の微弱電流によって引き起こされる。この電流は、Na+(ナトリウムイオン)が中心部方向へ動くことによって生ずる。我々は、電気の身体であることがわかっている。(^。^)y-.。o○次回に続く
「閃く経絡」を読んで 連載その16
電気は内側で生成され、内側が高圧、外側が低圧になっている。従って、電気は最も抵抗の少ないファッシア面を通り、内側から身体の最も外側へ、さらに外側の四肢の末端へと移動する。鍼灸の経絡上のツボが、指、つま先、耳、鼻で「始まったり」、「終わったり」しているのは、決して偶然ではなく、物理学の理にかなっているのです。
全16回に分けて、「閃く経絡」のパートⅠ『「鍼のサイエンス」神が医者に話し忘れたこと』を概観してきました。3000年の歴史をもつ鍼灸医学の「氣」、「経穴(ツボ)」や「経絡」の存在が、近代科学の発生学・解剖学・化学・物理学によって立証されたといえるでしょう。この後も、本書はコメント欄に記載したようにまだまだ続いて行くのですが、ますます専門的になるので、次の最終回で極めて簡単なまとめをして、連載を完結したいと思います。(^。^)y-.。o○最終回に続く
パートⅡでは、「中医学の発生学」と題し、「陰陽」「氣」「精」「神」等の意味を発生学的に解説している。またパートⅢでは、「命門と6本の経絡」と題し、各経絡の近代医学的意味を詳説しています。また、救急外科医として行った鍼治療症例等も紹介されています。専門家の皆さんには是非ともお読み頂きたい内容です。